常圧での水と水銀の質量密度を,
温度の関数として
図4.1に示す.
常圧とは1気圧を意味し,
圧力の基準としてよく用いられる.
水の密度は約4
Cで最大となるが,
図から読み取れるほど顕著ではない.
代表点での数値を表4.1に示す.
常温以下では,
水の密度は
約1.0 [
]と考えて問題ない.
100
Cでは
約0.96 [
]だが,
これらに比べ,氷の密度は
約0.92 [
]と目立って小さい.
多くの物質では,
分子が密に詰まることで,
液体より固体の方が密度が大きくなるのだが,
水は数少ない例外の1つとなる.
これは水分子が「く」の字型をしており,
整列するとかえって場所を占めるためである.
図4.1から明らかなように,
水の密度の温度変化は一様ではないが,
水銀の密度は,ほぼ直線的に温度変化する.
(4.5)によると,
-
曲線の負の傾きから
膨張率
が求まる.
が一定の水銀の方が,
温度計物質としてはふさわしいことがわかる.
図によると,
C付近を除き,
水の熱膨張率は温度とともに増加している.
気体の(4.6)とは対照的である.
図4.1からも読みとれるように,
水銀の膨張率は
1.81
[K
],水の熱膨張率は20
Cでは
2.1
[K
]である.
こうして
代表値を比較すると,
密度の差にもかかわらず,水と水銀の
膨張率はほぼ同程度であり,理想気体に比べると約10倍小さい.
つまり,気体は液体よりも約10倍ほど膨張しやすい.
もっとも,水の膨張率は
3.98
Cで0になり,
さらに温度を下げると負に転じる.
負の
も水に固有の性質である.
一般に,固体は液体よりも膨張しにくい.
例えば,
ダイヤモンドの体膨張率は
約
,
黄銅は約
,
氷はセ氏0度で
[K
]である.